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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見

序説

大腸腺腫症―最近の知見

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.541 - P.542

文献概要

 Q: How many polyps make polyposis?

 A: More than 100 polyps.

 今では馬鹿馬鹿しく聞こえるこのQ&Aも25年前には正解する人は決して多くなかった.10個のポリープがあってもポリポーシスとして報告されることは当時としては珍しくはなかったのである.それほどポリポーシスは希少な疾患であり,注目もされていなかった.今では家族性ポリポーシスが,Dukes分類で有名なSt. Mark病院の病理医Dr. C Dukesによって1952年に初めて疾患単位として報告されたことを知っている人は少ないであろう.Dukes,Bussey,Lockhart-MummeryらのSt. Mark病院の人々による,この分野における初期の貢献度は著しいものがある.家族性(familial)とは遺伝性(hereditary)の意味に用いられたにもかかわらず,初めのころは本症が家族性と非家族性とに分けられていたりした.昔話を書きたくなるのは老化の一現象かもしれないが,学問の発展のルーツは知っておかなければならないとの考えから,ちょっと述べてみた次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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