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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見

主題

家族性大腸腺腫症の外科的治療―予後からみた手術方針

著者: 宇都宮譲二1 山村武平1 権藤延久1

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.585 - P.592

文献概要

要旨 遺伝性腫瘍の研究と診療は,腫瘍一般の発生病理の解明に大きな手がかりを与えるとともに腫瘍体質の遺伝子診断,外科的,化学的癌予防法など対癌戦略に偉大な進歩をもたらした.FAPはその代表的疾患であるが患者は“癌と遺伝”という宿命的状況にある人々であり手厚い対策が急がれる.FAPそのほかの遺伝性腫瘍の対策は長期的な全体計画の下になされなければならず,外科療法はその一部にすぎない.したがって術式は結腸全摘回腸直腸吻合術(IRA),回腸肛門吻合術(IAA),回腸肛門管吻合術(IACA)のいずれを選ぶにせよ術後発現する腫瘍病変を早期に発見し,外科・内科的な予防対策を適切に行えるよう患者および家族の生涯追跡・監視,家系調査,遺伝子診断,カウンセリング,倫理,社会,法律的保護が行える体制の下に施行されるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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