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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見

主題

家族性大腸腺腫症に合併した十二指腸乳頭部病変の局所手術

著者: 岩間毅夫12 富田浩2 豊岡正裕2 樋口哲郎2 井出明毅2 金仁燮2 今成芳郎2 北郷邦昭2 石田秀行2 吉永圭吾2 久米進一郎3 嘉和知靖之4 丸山洋4 石田孝雄5

所属機関: 1東京医科歯科大学疾患遺伝子実験センター 2東京医科歯科大学第2外科 3東芝病院外科 4武蔵野赤十字病院外科 5中野総合病院外科

ページ範囲:P.593 - P.600

文献概要

要旨 家族性大腸腺腫症(FAP)について,十二指腸乳頭部病変の局所切除術の可能性を検討した.対象は十二指腸内視鏡所見を検討しえた52例のFAP患者で,乳頭部の変化を正常,表層型,腫瘤型,明らかな癌と分類した.14例に乳頭部に対する手術が行われた.5例に膵頭十二指腸切除(PD)が行われたが,このうち2例には乳頭筋を越える浸潤やリンパ節転移を認めなかった。9例には乳頭部局所切除が行われた.3例に癌を認めた.この9例中,大腸癌による早期死亡1例を除く8例では5年2か月までの観察で局所に再発を認めなかった.合併症についても検討した.腫瘤型変化を示す乳頭部病変で,臨床検査上Oddi筋以上の浸潤の可能性が少なければ局所切除のよい適応と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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