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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見 主題研究

大腸腺腫症における超微小病変の拡大pit pattern

著者: 工藤進英1 洗川佐代子1 田村智1 中嶋孝司1 日下尚志1 今井靖1 山野泰穂1 福岡岳美1 後藤英世1 鈴木章男1 坂下正典1 白坂大輔1 田中義規1 古村孟1 井手口尚生1 松井保憲1 小松泰介1

所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.607 - P.615

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要旨 経験したAPC5症例のうち,3症例に対し,拡大電子スコープを用いて多発する腫瘍性病変のpit patternによる診断を行った.観察しえた200個以上の腫瘍性病変は主として,ⅢL型pitで構成されており,数腺管のⅡb様,またはⅡa+dep病変もamorphismのないⅢL型pitで構成されていた.APC5症例の中で,sm癌は,表面陥凹型由来と思われ,進行癌も小型のⅡa+Ⅱc様癌であった.APCで進行癌に至る経路は,陥凹型のde novo発生も考慮する必要がある.一般臨床で発見されたⅡa+dep 1,050病変でsm癌が存在せず,点墨下経過観察例でもほとんど変化しない事実からも,APCで多発するⅡa+depは多くはlong standingな経過をたどるだろうと考えられた.実際,治療した中でⅡa+depまたはⅡaで早期癌は存在しなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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