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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見

主題症例

十二指腸乳頭部癌を合併し膵炎を繰り返したGardner症候群の1例

著者: 甲斐俊吉1 丸山雅一1 小泉浩一1 酒井達也1 江藤哲哉1 猪狩功遺1 亀井明1 佐藤栄一1 高野浩一1 岡田安朗1 加来良夫1 太田博俊2 上野雅資2 関誠2 畦倉薫2 高橋孝2 柳澤昭夫3 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会研究所病理部

ページ範囲:P.642 - P.646

文献概要

要旨 患者は36歳,男性.主訴は下痢と血便.発端者である兄の主治医に勧められ来院,家族性大腸腺腫症を疑い全身の検索を行った.その結果,胃・十二指腸ポリポーシスおよび顎骨腫を伴うGardner症候群と診断,予防的に全結腸切除+回腸直腸吻合術を行った.切除標本の肉眼観察において2~25mm大のポリープ5,175個を認めた.初診時から十二指腸乳頭部腫瘍が認められ,3年間の経過観察中に内視鏡像で腫瘍の増大が認められた.腫瘍の増大に伴いアミラーゼの血中逸脱量が増加し,腹痛の頻度や程度も増強した.腫瘍による膵液流出障害が原因で膵炎が反復して生じているものと判断し,内視鏡下腫瘍切除術を行った.病理診断は腺腫内癌であった.腫瘍切除後,腹痛発作は消失し血清アミラーゼも低下した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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