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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻4号

1997年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫症―最近の知見 主題症例

家族性大腸腺腫症に伴う甲状腺癌の1例

著者: 吉永圭吾1 岩間毅夫1 菅野純2 井上淳1 松本尚子1 三島好雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第2外科 2東京医科歯科大学医学部感染免疫病理学科

ページ範囲:P.647 - P.651

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要旨 家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis; FAP)に伴った甲状腺癌の1例を経験した.患者は21歳,女性.粘血便,頸部腫瘤を主訴とし,大腸に非密生型のポリポーシス,甲状腺に3個の腫瘤を認めた.甲状腺亜全摘術,頸部リンパ節郭清および結腸全切除術,回腸直腸吻合術を施行した.径10mm以上のポリープ13個はm癌12個,sm癌1個であった.甲状腺腫瘤はいずれも乳頭癌で,リンパ節転移を認めなかった.FAPでは甲状腺癌のリスクが高く,その特徴として若年で発症しやすく,組織型は乳頭癌で多発性であり,また大腸癌を合併する傾向にある.思春期以降のFAP女性患者では甲状腺の検査が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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