icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻5号

1997年04月発行

文献概要

今月の主題 粘膜下腫瘍様の食道表在癌 主題

内視鏡下超音波像からみた粘膜下腫瘍様の食道表在癌の特徴

著者: 有馬美和子1 森川丘道1 神津照雄2 有馬秀明1 小出義雄1 磯野可一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科 2千葉大学医学部光学医療診療部

ページ範囲:P.711 - P.721

文献購入ページに移動
要旨 当科の食道表在癌切除例132例中,粘膜下腫瘍様の形態を呈した食道表在癌9例の内視鏡下超音波画像の特徴について検討した.組織型は扁平上皮癌と特殊型の食道癌で,全例sm癌であった.表面性状から診断する内視鏡に対して,高周波数細径超音波プローブは食道壁表層の描出に優れ,病変の詳細な断層像を見ることができる.腫瘍は第2~4層に連続する不整形で境界不鮮明な充実性の低エコー腫瘤として描出された.mmを表す第3層は腫瘍辺縁部で中断していた.分葉した形態を示すことが多く,1つ1つの塊の大きさは不揃いなのが特徴であった.第4層深部と第5層はいずれの症例でも保たれsm癌と正診できていた.鑑別すべき疾患には良性のSMTのほかに,癌周囲に生じる細胞浸潤やリンパ濾胞過形成,血管,食道腺などがある.層構造の連続性,腫瘍のエコーレベル,形態と大きさに着目して検索することが重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?