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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻5号

1997年04月発行

文献概要

今月の主題 粘膜下腫瘍様の食道表在癌 主題症例

粘膜下腫瘍様発育を呈した食道類基底細胞(扁平上皮)早期癌の1例

著者: 高木靖寛1 櫻井俊弘1 岩下明徳2 稲田繁充2 竹中国昭1 蒲池紫乃1 松井敏幸1 八尾恒良1 原文彦3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3原病院内科

ページ範囲:P.723 - P.729

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要旨 患者は71歳,女性.心窩部の不快感を主訴に近医を受診,食道に異常を指摘され当科に紹介された.X線検査ではImに多結節性で表面に陥凹を有する隆起性病変を認めた.内視鏡では,この隆起はほぼ正常血管透見像を示す粘膜に覆われ一見大臼歯状であったが,詳細に観察すると隆起はゴツゴツとしており,隆起の一部と肛門側にヨード不染となる褪色調の粘膜が認められた(0-Ⅰ型).隆起部の2回目の生検で中~低分化扁平上皮癌と診断されたため右開胸食道亜全摘術を行った.摘出腫瘍は25×12mmで,粘膜固有層から粘膜下層深層に位置し,食道上皮の基底細胞に類似した小型細胞の充実胞巣状増殖から成り,胞巣内外に硝子化を伴っていた.腫瘍の一部表面および辺縁の上皮内にはm1の扁平上皮癌の像もみられた.以上から深達度sm3の類基底細胞(扁平上皮)癌と診断された.リンパ節転移はなく早期癌であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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