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書評「今日の疫学」
著者: 古市圭治1
所属機関: 1国立公衆衛生
ページ範囲:P.730 - P.730
文献購入ページに移動 疫学は,公衆衛生の基礎を形成する学問領域であると考えられてきた.しかし近年は,それにとどまらず,臨床医学の中心である診断や治療についての臨床判断を論理づける領域として,またテクノロジー・アセスメントなど科学的な医療政策を基礎づける領域とも考えられており,まさに“医療政策を含めた医学医療の基礎理論”となっている.
こういった保健活動の方法論といった新しい考え方と旧来の疫学の捉えかたとは若干異質な面がある.今までわが国では,このような新しい側面については,本書の分担執筆者である久道氏や久繁氏によりやや高度,専門領域の部分が紹介されているにすぎず,世界的に進行している保健医療の改革(Health Reform)の理論としての新しい疫学については,バランスの取れた形で提供されてきたとは言い難い.
こういった保健活動の方法論といった新しい考え方と旧来の疫学の捉えかたとは若干異質な面がある.今までわが国では,このような新しい側面については,本書の分担執筆者である久道氏や久繁氏によりやや高度,専門領域の部分が紹介されているにすぎず,世界的に進行している保健医療の改革(Health Reform)の理論としての新しい疫学については,バランスの取れた形で提供されてきたとは言い難い.
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