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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻5号

1997年04月発行

文献概要

今月の主題 粘膜下腫瘍様の食道表在癌 主題症例

粘膜下腫瘍様の食道表在癌の2例

著者: 中村努1 井手博子1 江口礼紀1 林和彦1 吉田一成1 小林中1 中村英美1 高崎健1 山田明義2 柳澤昭夫3

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科 2東京女子医科大学消化器病センター消化器放射線科 3癌研究会癌研究所病理部

ページ範囲:P.737 - P.743

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要旨 様々な組織型を示す粘膜下腫瘍様の食道表在癌は個々の症例に適した治療が必要でその診断は重要である.〔症例1〕はなだらかな小隆起性病変(0-Ⅰ)とその肛門側に陥凹性病変(0-Ⅱc)があり,0-Ⅰ病変は生検で未分化癌の診断を受け,内視鏡的粘膜切除(EMR)を施行し切除した.化学療法を施行したが0-Ⅱc病変は不変なため食道切除手術を施行し,再発なく長期生存中である.〔症例2〕は早期胃癌で胃全摘術後に,経過観察の内視鏡検査で食道病変を指摘された.病変は後壁中心に約1/3周を占める凹凸を示す隆起性病変である.組織は多形性を示す未分化な部分を有する低分化型扁平上皮癌であった.食道亜全摘術および化学療法を施行したが,3年半後再発,死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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