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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻5号

1997年04月発行

文献概要

症例

内視鏡的切除を行った空腸hamartomatous inverted polypの1例

著者: 圓尾隆典1 広岡大司2 多田正大3 羽白清1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院消化器内科 2岸和田徳洲会病院内科 3京都がん協会

ページ範囲:P.777 - P.780

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要旨 患者は33歳,女性で,タール便で来院し正球性貧血を呈した.消化管の検索で空腸に有茎性の表面平滑で頂部がやや崩れた形の隆起性病変を認めた(15×8mm).他の消化管に病変を認めず,この病変が出血の原因と考え,内視鏡的切除を行った.病理組織学的には,異型のない腺窩上皮が隆起の頂部で反転し,隆起内部へもぐり込んで腺管の過形成と囊胞状拡張を来していた.粘膜筋板は保たれており,上記変化は粘膜固有層のレベルで起こっていた.その形態学的特徴から本症の名称をhamartomatous inverted polypとした.本症は極めてまれな貴重な症例であり,文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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