文献詳細
文献概要
今月の主題 早期胃癌から進行癌への進展 序説
胃癌の発育進展―その歴史が教えるもの
著者: 丸山雅一1
所属機関: 1癌研究会附属病院内科
ページ範囲:P.789 - P.795
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本号の主題「早期胃癌から進行癌への進展」は,ちまた間に流布している早期胃癌の“がんもどき”説を多少とも視野に入れて企画されたものである.もっとも,執筆を依頼された方々は,そのことを知らされてはいないから,本号の主題論文には,そのような珍説との関連を論じたものはないであろう,というのが筆者の推測である.
筆者は,冒頭から“がんもどき”説を珍説とみなしたわけだが,その心境はと言えば,わが伝統ある雑誌「胃と腸」にこれを取り上げることさえ学問の品位を傷つけるもの,などという傲慢さは微塵もない.むしろ,“試みに見よ,古来文明の進歩,その初め皆,所謂異端妄説に起らざるものなし”という歴史の教訓を忘れてはいないし,また,“現在わたくしどもの共有する科学理論に対して致命的な反証となる「事実」をすでに数多く入手していながら,しかも,それに気づいていないことがあるかもしれない”という焦燥感もまた十分に持って事に臨んでいるつもりである.
本号の主題「早期胃癌から進行癌への進展」は,ちまた間に流布している早期胃癌の“がんもどき”説を多少とも視野に入れて企画されたものである.もっとも,執筆を依頼された方々は,そのことを知らされてはいないから,本号の主題論文には,そのような珍説との関連を論じたものはないであろう,というのが筆者の推測である.
筆者は,冒頭から“がんもどき”説を珍説とみなしたわけだが,その心境はと言えば,わが伝統ある雑誌「胃と腸」にこれを取り上げることさえ学問の品位を傷つけるもの,などという傲慢さは微塵もない.むしろ,“試みに見よ,古来文明の進歩,その初め皆,所謂異端妄説に起らざるものなし”という歴史の教訓を忘れてはいないし,また,“現在わたくしどもの共有する科学理論に対して致命的な反証となる「事実」をすでに数多く入手していながら,しかも,それに気づいていないことがあるかもしれない”という焦燥感もまた十分に持って事に臨んでいるつもりである.
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