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今月の主題 早期胃癌から進行癌への進展
主題
文献概要
要旨 早期胃癌の転移の実態を多数例の集計から検討した.全国胃がん登録から5年分を集計すると,m癌13,951例,sm癌11,683例のリンパ節転移率はそれぞれ2.3%,16.7%であった.また,胃癌研究会の主題としてm癌およびsm癌が取り上げられた際の抄録からリンパ節転移について集計すると,m癌2.1%,sm癌17.7%という転移率となった.m癌では,潰瘍(瘢痕)を伴う陥凹型,未分化型,腫瘍径が大きい,の3点がリンパ節転移例の特徴として挙げられていた.早期胃癌の同時性血行性転移は極めてまれであった.病理検索方法により深部浸潤やリンパ節転移の検出に差が生じることを常に念頭に置くことが重要と思われた.
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