icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻6号

1997年05月発行

--------------------

書評「画像診断のための知っておきたいサイン 第2版」 フリーアクセス

著者: 伊藤勝陽1

所属機関: 1広島大学放射線科

ページ範囲:P.814 - P.814

文献概要

 “例えば電話で相談を受けたとき,フィルムを直接見ることができなくても,何々サインがあると,言われたら,誰もが一定のパターンと鑑別診断が思い浮かべられるよう,サインを普及させよう”が,専門医試験に取り組んでいた先輩の言であった.Felsonが1950年に命名したシルエットサインはサインの有用性をわれわれに認識させ,また放射線専門医試験もサインを普及させる役を担ったように思える.人局後間もなく放射線専門医制度が設立され,それを受けようとしていた先輩たちは,不得意分野やあまり馴染みのない領域のサインを憶えてとりあえず知識を増やそうとしていた.筆者も,本書初版の序に記載されている西岡清春教授著の「Roentgen signs特定の呼び名のついたレントゲン・サイン」を随分活用させていただいた.この本は本邦で初めてサインをまとめたテキストブックであったが,今では若い人があまり興味を持たない単純写真,消化管造影検査,経静脈的尿路造影,血管造影におけるサインが記載されていた.

 今手元にある「画像診断のための知っておきたいサイン」は,先ほどのいわゆる古典的なX線診断のサインのほかに,最近のモダリティーを反映しCTやUS,核医学などの画像診断のサインがわずかではあるが加わっている.しかし画像を正確に診断するにはまず病変を拾い上げ,鑑別診断をリストアップできるようにという基本的な姿勢は西岡先生の著書もそうであったが,この本でも貫かれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら