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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻6号

1997年05月発行

今月の主題 早期胃癌から進行癌への進展

主題

高齢者における胃癌の発育経過

著者: 浜田勉1 三輪洋人2 近藤健司1 板垣雪絵1 北村成大3

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2順天堂大学医学部消化器内科 3社会保険中央総合病院病理

ページ範囲:P.815 - P.824

文献概要

要旨 高齢者における胃癌の発育経過を調べるため,1年以上追跡された58例を,高齢者(65歳以上)21例と対照者(65歳未満)37例に分け,更に,得られた画像からその経過を2群に分け,A群(23例)は病変が指摘できないかあるいは早期胃癌の形態から2年以内に進行癌に変化したもの,B群(35例)は初回検査で早期胃癌の形態を認め,2年以上観察され,なお早期癌の形態にとどまったものとした.①初期病変の形態,②組織型,③病変の占拠部位について検討した.その結果,高齢者では,初期病変が隆起型の癌は陥凹型に比較し形態変化の速度が有意に緩徐で,対照者と差がみられた.また,陥凹型の癌をUl(+)とUl(-)に分けて検討すると,高齢者のUl(-)群では有意差をもって形態変化が急速という結果が得られ,これは対照者でも同様の傾向があった.組織型,占拠部位には高齢者でも対照者でも特に有意差は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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