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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻6号

1997年05月発行

今月の主題 早期胃癌から進行癌への進展

主題症例

5年間の経過で0′-Ⅱc型M癌から3型mp癌へ進展した胃癌の1例

著者: 本間照1 渡辺英伸2 味岡洋一2 飯利孝男2 成澤林太郎1 小林正明1 杉谷想一1 杉村一仁1 本山展隆1 新井太1 望月剛1 夏井正明1 鈴木裕1 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.847 - P.853

文献概要

要旨 患者は71歳の女性.1988年11月心窩部不快感を訴え受診し,胃内視鏡検査で前庭部小彎に径約5×2mmの0′-Ⅱc型粘膜内癌を指摘され,生検でも高異型度分化型癌と診断された.その後患者との連絡がとれず,5年後の1993年11月に近医から紹介され再受診し,前庭部小彎に径19×16mmの3′型進行癌を認め胃亜全摘術が施行された.深達度はmpであった.初回生検時,本腫瘍(粘膜内癌)のKi-67 LIは26.5であったが,5年後の切除標本では更に異型度の高くなった腫瘍細胞から構成され,粘膜内腫瘍部と考えられる領域のKi-67 LIは83.7と増加していた.本例はⅡc型高異型度分化型癌が5年間に更に異型度を増しながらmp癌へと発育進展した1つのnatural historyが追えたものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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