文献詳細
今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く)
主題
文献概要
要旨 感染性腸炎の最近の動向の中で,最も広く注目を集めている腸管出血性大腸菌(病原性大腸菌O157)感染症について概説した.1996年にわが国においては,病原性大腸菌O157による集団食中毒事例が22件発生し,散発事例も多数報告された.患者数の総計は1万人近くになり,12人の死者が出た.欧米においても,特に米国と英国では,集団事例が多発している.病原性大腸菌O157の特徴は,Vero毒素を産生することである.Vero毒素は,病原性大腸菌O157感染の際の出血性大腸炎,溶血性尿毒症症候群,脳症の原因毒素と考えられている.
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