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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く)

主題

感染性腸炎の十二指腸・小腸X線所見―非感染性腸炎とのX線学的鑑別を中心に

著者: 檜沢一興1 飯田三雄2 青柳邦彦1 松井敏幸3 多田修治4 松本主之2 望月祐一1 桑野恭行1 八尾恒良3 渕上忠彦5 岡田光男6 木村豊7 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ) 3福岡大学筑紫病院消化器科 4済生会熊本病院消化器科 5松山赤十字病院消化器科 6福岡大学医学部第1内科 7木村外科病院

ページ範囲:P.917 - P.926

文献概要

要旨 感染性小腸炎57例と非感染性小腸疾患57例のX線所見を比較検討した.アニサキス症は限局性の浮腫性狭窄像を形成し,56%に栂指圧痕像,32%にアニサキス虫体,29%に口側腸管拡張像を認めた.エルシニア腸炎は多発結節状の隆起とバリウム斑を伴う回腸末端炎の像を呈したのに対し,キャンピロバクター腸炎とビブリオ腸炎は比較的広範なびまん性の腸管浮腫像がみられた.糞線虫症とイソスポーラ症は病変の進展に伴い上部腸管皺襞の不規則な肥厚像(初期)から,皺襞輪郭の不明瞭化と粘膜のびまん性顆粒像(終末期)を呈した.急性感染症ではSLE,急性期の虚血性小腸炎,好酸球性腸炎,血管性紫斑病との鑑別が必要であったが,病変の罹患範囲,皺襞浮腫の程度,バリウム斑の有無などに着目すれば,ある程度鑑別は可能であった.慢性感染症では初期にはAL型アミロイドーシス,低蛋白血症を伴うSLEや好酸球性腸炎,終末期にはAA型アミロイドーシス,IPSIDとの鑑別が必要であったが,二重造影像における粘膜面の性状と分布が鑑別診断上重要であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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