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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題

感染性腸炎の内視鏡所見

著者: 林繁和1 篠邉泉1 神部隆吉1 原田公1 加藤徹哉1 竹内淳史1

所属機関: 1名古屋掖済会病院消化器科

ページ範囲:P.927 - P.940

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要旨 感染性腸炎132例の急性期の大腸内視鏡所見を検討した.キャンピロバクター腸炎では全大腸に発赤,びらんを散在性に認めることが多く,Bauhin弁上の潰瘍は高率にみられた.腸炎ビブリオ腸炎では大腸の罹患率は低く,Bauhin弁の腫大,びらん,終末回腸のびらんが高率にみられた.サルモネラ腸炎では直腸,下行結腸の罹患率は低く,散在する発赤,びらんが高率にみられた.エロモナス腸炎はS状結腸,ブドウ球菌腸炎は左側大腸に好発し,ともに内視鏡像に一定の傾向はなかった.びまん性,縦走性,アフタ性病変など他疾患と鑑別を要する病変もしばしばみられ,診断には便培養が必要であるが,罹患部位と内視鏡像の特徴からある程度の診断は推定できた.また,炎症性腸疾患に合併した例の診断にも多くは有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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