icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題

感染性腸炎の病理

著者: 橋立英樹1 渡辺英伸1 味岡洋一1 桑原明史1 西倉健1 丸田和夫1 本間照2 片山麻子3 宮岡正明3 斉藤利彦3 芹沢博美4

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2新潟大学医学部第3内科 3東京医科大学第4内科 4東京医科大学病院病理部

ページ範囲:P.949 - P.961

文献購入ページに移動
要旨 感染性腸炎77例の自験生検材料と文献を参考にし,起因病原体別の組織像の特徴を分析した.このうち,組織像で確診ないし疑診できるものは,サイトメガロウイルス腸炎,アメーバ赤痢,Clostridium difficile腸炎,エルシニア腸炎,腸管出血性大腸菌腸炎,腸チフス,アニサキス症であった.ブドウ球菌性腸炎,細菌性赤痢,サルモネラ腸炎,キャンピロバクター腸炎,腸管出血性大腸菌を除くその他の病原性大腸菌性腸炎や腸炎ビブリオ腸炎は非特異的急性炎の組織像(多核白血球と慢性炎症細胞浸潤)を示した.後者の群の組織変化は,1~3病日には,好中球・好酸球が優位で,そこにリンパ球・形質細胞が加わり,4~7病日には,好中球が減少し,リンパ球・形質細胞優位となり,8病日以降は一般にすべての炎症細胞浸潤は減少した.最後に,感染性大腸炎とその他の炎症性腸疾患,特に,潰瘍性大腸炎の初発例との生検上での鑑別についても検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?