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今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題研究
AIDS患者にみられる消化管病変
著者: 猪狩亨1
所属機関: 1東京都立駒込病院病理科
ページ範囲:P.963 - P.970
文献購入ページに移動要旨 AIDS患者剖検例51例を対象とし,その消化管病変に関して臨床病理学的検討を行った.サイトメガロウイルス感染は18例にみられ,食道潰瘍,胃びらん,胃潰瘍,小腸炎,回盲部潰瘍,大腸炎および潰瘍などを形成した.病理学的に上皮細胞,小血管内皮細胞への感染のほか,筋間神経叢や平滑筋への感染による筋層壊死がみられた.単純ヘルペスウイルス感染は4例で陰部潰瘍としてみられた.Mycobacterium avium-intracellulareの消化管感染は4例にみられ,全例他臓器への撒布性感染を伴っていた.3例で便から同菌を分離した.肉眼的に小腸粘膜が一様に厚く表面が白色の微細顆粒状を呈するものと,結節状小隆起が散在するものとがあった.カンジダ症は最も頻繁にみられ口内炎,食道炎が多いが,大部分が治療により治癒軽減していた.クリプトスポリジウム感染は1例のみ認め,持続する水様下痢を主症状とした.カポシ肉腫は8例で消化管病変を形成し,皮膚もしくは口腔内病変を伴っていた.1例は持続する消化管出血のため重度の貧血に陥っていた.
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