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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く)

主題症例

腸管出血性大腸菌(E.coli O157:H7)に起因する腸炎の1例

著者: 菅田信之1 清水誠治1 多田正大2

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2京都がん協会消化器科

ページ範囲:P.971 - P.974

文献概要

要旨 1996年夏にわが国で腸管出血性大腸菌(E.coli O157:H7)に起因する腸炎が流行したが,筆者らはその1年前に,47歳の女性に発症した本症を経験した.自験例では緊急内視鏡検査で右半結腸に著しいびらん,出血,汚い膿状分泌物を認め,粘膜面は暗赤色であり,虚血性腸病変に一致した所見が確認された.この時点で本症を強く疑い,選択培地による糞便培養を行い確定診断に至ったが,早期診断と治療に努めた結果,重篤な状態に陥ることなく治癒した.自験例における内視鏡像,超音波内視鏡像,注腸X線像などの画像はO157腸炎として特徴的であったが,感染性腸炎に対する臨床医の取り組み方についても多くの教訓が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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