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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題症例

病原性大腸菌O157:H7による出血性腸炎の1例

著者: 徳永晃1 藤井億秀1 大田和弘1 紙谷孝則1 山崎繁通1 白井善太郎1 森寿治1 田中経一1 井廻宏2 瀬尾充2 岡田光男2 奥村恂2

所属機関: 1福岡大学医学部救命救急医学 2福岡大学医学部第1内科

ページ範囲:P.975 - P.980

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要旨 患者は54歳,女性,主訴は,粘血下痢便,右下腹部痛,発熱.近医から紹介され当科に入院.入院時著明な炎症反応と注腸造影で上行結腸に拇指圧痕像,大腸内視鏡検査では上行結腸中央部から盲腸にかけて,粘膜の発赤,浮腫,びらんが認められた.便培養により腸管出血性大腸菌であるO157:H7を検出しVero毒素が証明された.以上から病原性大腸菌O157:H7による出血性大腸炎と診断.中心静脈栄養および抗生剤投与で症状,炎症所見は消失した.右側結腸に虚血性大腸炎様所見を認めた場合,本症を常に念頭におき,早期診断,合併症予防を行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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