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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題症例

病原性大腸菌腸炎(O18)の1例

著者: 八尾哲史1 青柳邦彦1 檜沢一興1 平川克哉1 蔵原晃一1 綾部俊一郎1 藤島正敏1 八尾隆史2

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.981 - P.985

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要旨 患者は74歳,男性.1995年8月13日,腹痛と頻回の下痢が出現.翌日,血便を伴うようになり当科入院.大腸内視鏡検査では肝彎曲部から横行結腸に著明な浮腫,発赤した粘膜,粘膜下血腫,縦走傾向の潰瘍を認め,注腸X線検査では上行結腸から横行結腸にかけて拇指圧痕像を認めた.肝彎曲部と横行結腸には縦走傾向の潰瘍もみられた.X線・内視鏡像および生検組織像からは虚血性腸炎との鑑別を要したが,内視鏡下生検培養の結果,病原性大腸菌O18を検出し,病原性大腸菌腸炎と診断した.抗生剤を投与し,約1週間で症状,検査成績とも改善し,その後施行した大腸内視鏡検査でも浮腫は消失し潰瘍瘢痕を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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