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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻7号

1997年06月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎(腸結核を除く) 主題症例

回腸終末部から右側結腸にかけて病変がみられた腸チフスの1例

著者: 矢野祐二1 青柳邦彦1 八尾隆史2 檜沢一興1 木村豊3 野口晶教4 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理 3木村外科病院 4福岡市立こども病院感染症センター

ページ範囲:P.999 - P.1005

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要旨 患者は33歳,男性.海外渡航歴はない.主訴は腹痛,下痢,発熱.入院時,右側腹部に中等度の圧痛あり.末梢血で好酸球消失と肝機能障害を認め,大腸内視鏡検査で回腸終末部から右側結腸にかけ,浮腫および頂部にびらんを有する小隆起を主体とした腸炎を認めた.腸粘膜の生検培養でSalmonella typhiが検出され腸チフスと診断.ofloxacin(800mg/日)の内服治療開始後,速やかに症状と肝障害は改善した.抗菌剤中止後も排菌のないことを確認し退院.約1年後に施行した大腸内視鏡検査では,回腸終末部から上行結腸にリンパ濾胞の過形成が目立つ以外には異常を認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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