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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻8号

1997年07月発行

早期胃癌研究会症例

0-Ip+Ⅱc型を呈した食道粘膜癌の1例

著者: 磯村幸範1 嘉村正徳1 奥村昇司1 石塚達夫1 鈴木雅雄2 下川邦泰3 佐治重豊4 林慎5 安田圭吾1

所属機関: 1岐阜大学医学部第3内科 2岐阜大学医学部放射線科 3岐阜大学医学部臨床検査医学 4岐阜大学医学部第2外科 5松波総合病院内科

ページ範囲:P.1109 - P.1113

文献概要

要旨 患者は57歳,男性.人間ドックの上部消化管X線検査で食道の隆起性病変を指摘され,内視鏡検査で食道癌と診断され,当科紹介入院となった.食道造影検査で,胸部中部食道に隆起性病変を認め,口側・肛側両側に溝状のごく淡い不整陰影像の進展を認めた.食道内視鏡検査では,上切歯列から28cmの右壁に結節状隆起を認め,25~31cmまで隆起を中心に3/4周性にⅡc面が拡がっていた.また主病変の口側前壁にはⅡc型副病変を認めた.0-Ip+Ⅱc型食道癌,深達度smlと診断し,開胸食道切除を行った.術後病理組織学的所見では,O-lp+Ⅱc型食道癌で,深達度は2か所で粘膜筋板(m3)に達するにとどまっていた.O-Ip+Ⅱc型食道癌の肉眼形式を呈したにもかかわらず,深達度m3にとどまった食道表在癌の1例を経験したので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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