icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻8号

1997年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

原発性早期大腸MALTリンパ腫の1例

著者: 渡二郎12 折居裕1 田邊裕貴1 中野靖弘1 水上裕輔1 太田智之1 有里智志1 大田人可1 村上雅則1 桜井宏治3 里悌子3 斉藤裕輔2 横田欽一2 高後裕2

所属機関: 1旭川厚生病院消化器科 2旭川医科大学第3内科 3旭川厚生病院病理科

ページ範囲:P.1115 - P.1122

文献購入ページに移動
要旨 患者は61歳,男性.人間ドックで便潜血陽性を指摘され,注腸X線検査を受けた.S状結腸に,顆粒結節状表面を持つ径3cmの類円形透亮像,その口側に径1cmの円形透亮像を認めた.内視鏡検査では,いずれも光沢のある黄白色調の隆起で,血管増生による発赤を伴っていた.ほかに黄白色調の平坦病変も認めた.生検では3病変ともMALTリンパ腫の疑いとされた.EUSでは,粘膜深層からsm深層にかけて濾胞状低エコー腫瘤を認めた,PCR法によりB細胞のmonoclonalityが証明されBリンパ腫と診断した.手術標本の病理診断は,MALT型悪性リンパ腫(びまん性中細胞型),深達度sm(sm2,sm3×2個),ly0,v0,n(-)であった.文献検索の結果,大腸のMALTリンパ腫はlymphoepithelial lesionやリンパ濾胞に乏しく,胃のそれとは異なっていた.本例の内視鏡所見や組織所見は早期大腸MALTリンパ腫として定型的と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら