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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻8号

1997年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

経過を観察しえた腸管出血性大腸菌(EHEC)O157:H7による大腸炎の1例

著者: 今村哲理1 栃原正博1 夏井清人1 安保智典1 山下健太郎1 須賀俊博1 豊田成司1 藤永明1 狩野吉保1 宮川宏之1 大村卓味1 佐藤隆啓1 長川達哉1 山崎克1 中馬誠1 高木三千代1 村岡俊二2 佐藤利宏2

所属機関: 1札幌更生病院消化器科 2札幌更生病院病理科

ページ範囲:P.1123 - P.1128

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要旨 腸管出血性大腸菌(EHEC)O157:H7による大腸炎のX線・内視鏡による経過観察例を報告した.患者は,48歳,主婦.腹痛・血性下痢を主訴として,入院した,第5病日の内視鏡検査では,直腸・S状結腸の病変は軽度であったが,下行結腸~盲腸には発赤粘膜の浮腫,潰瘍・びらん形成,出血などの高度の炎症所見を認め,同日の注腸X線検査でも下行結腸~盲腸にかけて管腔の痙攣性狭細化,thumbprinting様所見を認めた.糞便検査でEHEC O157:H7が証明された.第21病日の内視鏡検査では,横行結腸に数条の縦走潰瘍瘢痕と下行結腸に発赤斑を残すのみとなりほぼ治癒した.注腸X線検査でも横行結腸に縦走潰瘍瘢痕が証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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