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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

今月の主題 胃噴門部領域の病変 (2)癌以外の病変 序説

胃噴門部領域の病変

著者: 牛尾恭輔1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.1161 - P.1163

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はじめに

 消化管は口腔から肛門に至る管腔の臓器であり,その臓器と臓器の移行部では管腔の幅が急に変わる.すなわち咽頭,胃噴門部,胃幽門部~十二指腸球部,回盲部,直腸下部~肛門部は,管腔の幅が急に変化し,括約筋という筋組織やそれを支配する神経系,更に免疫機構を担うリンパ組織も発達している.Vater乳頭部も胆管,膵管が閉口して,それより管腔が広い十二指腸に移行するという点で同じである.そしてこれらの部位は物理的,化学的,生物学的な刺激を受けやすく,また粘膜上皮の剝脱や再生が頻繁に行われている.したがって,消化管の移行部には種々の炎症性病変や腫瘍性病変が生じ,また生理的な異常に伴う病変も好発する.このように臓器の移行部における比較診断学の視点に立って,胃噴門部領域の特徴を考え,それを診断学にどのように役立てうるかを目的としたのが本号のねらいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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