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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

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書評「ヘリコバクター・ピロリ除菌治療ハンドブック」

著者: 寺野彰1

所属機関: 1獨協医科大学第2内科

ページ範囲:P.1182 - P.1182

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 長く人類を苦しめてきた胃炎,消化性潰瘍が,Helicobacter Pylori(Hp)という胃内に棲息する細菌によって生ずるらしいこと,この細菌を除くこと(除菌)によってこれらの疾患が改善ないし治癒するらしいことが判明してまだ十数年にしかならない.しかし今Hpは消化器病学の中で最も注目される課題となった.最近では,胃癌や胃悪性リンパ腫あるいは心筋梗塞などの消化管以外の疾患との関連も話題となってきている.

 このように細菌がある疾患の原因と考えられる場合,すなわち,いわゆるコッホの4原則が満たされた場合には,その細菌の除菌がその疾患の治療にとって最もよい手段であることは言うまでもない.事実,Hpの除菌によって胃・十二指腸潰瘍の再発はほとんどの場合防止できる.ところが,このHpのわが国での感染率は50%を超えるとされており,このことは除菌対象が5~6千万人であることを意味している.更に複雑なことには,感染したHpのすべてに病原性があるわけではなさそうで,その一部が関係しているらしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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