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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

今月の主題 胃噴門部領域の病変 (2)癌以外の病変 主題

噴門部領域の良性狭窄性病変に対する最近の治療法―狭窄性食道炎,アカラシアなど

著者: 河野辰幸1 永井鑑1 井上晴洋1 矢野謙一1 長浜雄志1 出江洋介1 中村正徳1 吉野邦英1

所属機関: 1東京都医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1189 - P.1196

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要旨 噴門部に狭窄を呈す良性疾患としては,食道アカラシアや逆流性食道炎,粘膜下腫瘍,静脈瘤硬化療法や粘膜切除後の瘢痕化などが挙げられる.発生機序を考慮して個別に対応する必要があるが,代表的な前2者について最近の治療法を示した.食道アカラシアの保存的療法は内服薬とバルーンによる強制拡張術とが中心で,最近ではボツリヌストキシンの局所注入が注目されている.狭窄を来した逆流性食道炎では強制拡張術とプロトンポンプインヒビターの適応となるが,胃食道逆流防止手術がより適している場合も多い.最近導入された鏡視下手術はその低侵襲性が特徴で,これらの疾患では,現時点でも従来の外科治療と同等の効果が期待できるため,外科治療の適応範囲は拡がりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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