icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

今月の主題 胃噴門部領域の病変 (2)癌以外の病変 主題症例

初診時Mallory-Weiss症候群と診断された特発性食道破裂の1例

著者: 水谷郷一1 幕内博康1 町村貴郎1 島田英雄1 千野修1 西隆之1 田中曜1 大芝玄1 佐々木哲二1 田島知郎1 三富利夫1

所属機関: 1東海大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1201 - P.1204

文献購入ページに移動
要旨 患者は56歳,男性.飲酒後の嘔吐と心窩部痛を主訴に来院した.来院時の食道内視鏡検査で食道胃接合部直上に深い潰瘍を認めたが,出血は認められなかった.胸部単純X線検査では,左側胸水が疑われたが縦隔気腫像は診断できなかった.Mallory-Weiss症候群の疑いで入院となったが,入院後胸部CT検査で縦隔気腫像を認め,また食道X線検査で縦隔内への造影剤の漏出を認めた.よって縦隔内限局型の特発性食道破裂と診断し保存的治療を施行した.その後の経過は良好で第32病日に退院となった.比較的まれな疾患ではあるが,胸・腹部の救急疾患の1つとして本疾患を認識しておくことが早期診断に重要であり,またminimally invasiveな治療法としての保存的治療法の有用性について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら