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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

今月の主題 胃噴門部領域の病変 (2)癌以外の病変

主題症例

食道胃境界部ポリープの1例―X線像の変化を中心に

著者: 浜田勉1 近藤健司1 板垣雪絵1 泉嗣彦1 奥田圭二2 北村成大3

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院放射線科 3社会保険中央総合病院病理

ページ範囲:P.1211 - P.1214

文献概要

要旨 食道胃境界部大彎側に15mm大の山田III型過形成性ポリープを認めた.X線検査では初めに胃側に存在するように観察されたが,第2斜位の透視下で次第に食道内に引き込まれ,ついには完全に食道内にポリープが入り込み,X線像では消失した.内視鏡検査では,食道下端からの観察でも胃内反転での観察でもポリープは見られた.したがって,食道胃境界部の大彎側は空気量や体位で移動すると考えられ,X線検査では同部の病変が食道内に引き込まれた場合,早期癌のような小病変を異常像として認識できず見逃す可能性がある.特に,噴門が閉鎖している像では噴門部全体の隆起の有無を観察し,隆起があれば噴門部病変を疑う必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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