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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

症例

急性腹症で発症し,上行・下行結腸に拇指圧痕像を認めたサルモネラ腸炎の1例

著者: 上野直嗣1 多田修治1 原口修1 須古博信1 神尾多喜浩1 尾崎建1

所属機関: 1済生会熊本病院消化器科 2済生会熊本病院消化器科 3尾崎病院

ページ範囲:P.1251 - P.1256

文献概要

要旨 患者は18歳,男性.腹痛,下痢,発熱を主訴に近医で内服加療を受けたが,翌日には症状の増悪がみられ,別医を受診した.受診時,右下腹部に著明な自発痛と腹膜刺激症状があり,急性腹症の診断で当院に緊急入院となった.当院受診時のCT・USで回盲部腸管壁の腫大と少量の腹水を認めた.入院後3日目の大腸内視鏡検査では,大腸全域に発赤,びらんが散在し,下行結腸と上行結腸には著明な浮腫がみられ,上行結腸には浅い不整形の潰瘍を認めた.同日行った注腸検査では微小なバリウム斑が大腸全体に多発しており,拇指圧痕像を下行結腸,上行結腸,盲腸,終末回腸に認めた.内視鏡検査の際に行った便汁培養,生検培養でSalmonella typhimuriumが検出され,サルモネラ腸炎と診断した.中心静脈栄養および抗生剤投与を行い,12日間で軽快し退院となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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