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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

症例

消化管穿孔を来したChurg-Strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)の1例

著者: 近藤英樹1 青柳邦彦1 矢田親一朗1 檜沢一興1 中村昌太郎12 平川克哉1 佐内透1 山本卓明3 壬生隆一4 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第1病理 4九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1257 - P.1264

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要旨 患者は62歳,女性.33歳時に気管支喘息,59歳時に肝硬変が出現.60歳から喘息発作が頻発しステロイドを服用したがコントロール不良.1994年4月,喘息重積発作に対するステロイド治療後,小腸穿孔を生じ,上部小腸を80cm切除した.切除標本にはUl-II~IVの多発性潰瘍と3か所に穿孔を認め,病理組織学的には血管周囲に肉芽腫様変化と好酸球浸潤を伴う血管炎がみられた.また,その後の消化管検査で,胃,小腸,大腸に浅い小~地図状の潰瘍を認めた.更に末梢血好酸球増多と末梢神経炎を認め,Churg-Strauss症候群と診断しta. predonisolone 60mgから治療を開始し,症状,末梢血の好酸球増多,多発潰瘍は改善したが,肝障害が進行し死亡した.剖検では,胃・小腸・大腸そして肝・胆の主として小動脈と静脈に瘢痕性の全層性血管炎を確認し,Churg-Strauss症候群に合致する所見であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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