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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻9号

1997年08月発行

文献概要

症例

早期胃癌と食道粘膜異形成症を合併し,早期腺癌および腺カルチノイド(adenocarcinoid)を伴った十二指腸腺腫の1例

著者: 佐藤友美14 川中美和1 伊藤慈秀1 広川満良2 佐藤公治3 土持茂之3 光野正人3 平松収4

所属機関: 1川崎医科大学附属川崎病院病理部 2川崎医科大学病理学教室 3川崎医科大学附属川崎病院外科 4川崎医科大学附属川崎病院放射線科

ページ範囲:P.1265 - P.1271

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要旨 77歳,男性の十二指腸球部にポリープ状病変が発見され,組織学的に腺管絨毛腺腫が示唆された.約1年後,食道中部に多結節性病変が発見され,生検で粘膜異形成症が確認された.以後厳密に追跡したが,両病変は変化しなかった.十二指腸病変の発見後約5年目(82歳時)に,その部分的ポリペクトミー組織検査により,腺管絨毛腺腫に高分化腺癌と腺カルチノイドの合併を認めた.また胃体部後壁に軽い周囲隆起を伴う小平坦病変がみられ,生検で腺管腺腫を示した.切除標本の組織検索で球部腺腫直下の粘膜筋板から粘膜下層深部にかけ腺カルチノイドの限局浸潤が確認され,所属リンパ節転移を伴っていた.胃病変は高分化型管状腺癌から成るIIc+IIb型m癌で,残存腺腫は周辺に限られていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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