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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻10号

1998年09月発行

文献概要

今月の主題 腸管子宮内膜症 主題

腸管子宮内膜症の病態

著者: 小平進1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1323 - P.1328

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要旨 子宮内膜組織が異所性に腸管壁に増殖したものが腸管子宮内膜症である.本症が全子宮内膜症に占める率はそれほど多くないが,腸管の中では直腸・S状結腸に発生するものが大部分である.消化管症状を訴える性成熟期後期の女性においては注意を要する疾患で,月経・妊娠歴など婦人科的問診が大切である.診断面でもX線・内視鏡的検査において,悪性腫瘍,炎症性腸疾患などとの鑑別が困難なことがある.また,本症の癌化例があることにも注意を要する.治療としては病巣部の腸管切除が多く行われるが,子宮全摘・両側附属器摘除も同時に行う根治手術については,患者の年齢,妊娠の希望の有無など諸要因を考慮して選択を行わなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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