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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻10号

1998年09月発行

今月の主題 腸管子宮内膜症

主題症例

回盲部腸管子宮内膜症の1例

著者: 廣田千治1 松本主之12 青柳邦彦1 小林広幸1 檜沢一興1 八尾隆史3 城戸英希4 木村豊4 飯田三雄2

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ) 3九州大学医学部第2病理 4木村外科病院

ページ範囲:P.1375 - P.1380

文献概要

要旨 患者は28歳,女性.嘔吐,腹痛を主訴に来院し,腸閉塞の診断で入院した.注腸X線検査で回盲部の偏位と盲腸の平滑な陰影欠損,および終末回腸の伸展不良がみられ,内視鏡検査では盲腸に皺襞の腫大を伴う偏側性の管外性圧排と管腔狭小化を認めた.臨床像とX線・内視鏡所見から子宮内膜症を疑い,回盲部切除術を施行した.切除標本では終末回腸,盲腸,および虫垂遠位側が一塊となり,偏側性の粘膜下腫瘍様隆起を呈していた.組織学的には粘膜下層から漿膜にかけて子宮内膜腺と著明な線維化を認めた.腸管子宮内膜症は漿膜を主座とする疾患であるが,本症例は虫垂を含めた回盲部の癒着と線維化のため特異なX線・内視鏡所見を呈したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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