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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻10号

1998年09月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道・胃接合部の噴門腺粘膜から発生した10×6mmのm癌の1例

著者: 藤井幹雄1 奥脇治郎1 川口和夫1 菊池勉2 花房哲雄2 木崎照好2 露木靜夫3 梅谷薫1 高見茂人1 渡辺英伸4

所属機関: 1みさと健和病院内科 2みさと健和病院放射線科 3みさと健和病院外科 4新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1413 - P.1418

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要旨 54歳,女性.糖尿病のインスリン治療中.健診のため内視鏡検査を受けた.食道下部のⅡa様隆起上の発赤斑からの生検は分化型管状腺癌であった.次の内視鏡検査ではこの隆起のほかに食道・胃接合線に接した胃噴門部小轡に小陥凹が認められ,X線像でも同様の所見が描出できた.生検で分化型管状腺癌が食道と胃に認められたので,胃全摘食道下部合併切除を行った.本例は切除標本の組織学的検査により,食道・胃接合部の噴門腺由来が証明できた極めてまれな癌であった.癌はEGJから食道側へ8mmの長さにわたって0-Ⅱa+Ⅱc+Ⅱb(8×6mm)の型で拡がり,胃側へ2mmの長さで0-Ⅱc+IIb(2×6mm)の型で拡がった食道優位(EC)の食道・胃接合部の粘膜癌であった.リンパ節への転移は認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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