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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻10号

1998年09月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

比較的高齢で発見された非特異性多発性小腸潰瘍症の1例

著者: 宮本竜一1 檜沢一興1 青柳邦彦1 古瀬正徳1 壬生隆一2 八尾隆史3 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第1外科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1419 - P.1424

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要旨 患者は57歳,男性.腹痛,貧血(血色素5.7g/dl)を主訴に当科に入院した.Mantoux反応陰性,血清総蛋白5.9g/dlで,α1anti-trypsin clearance testは192ml/dayと著明に高値であった.小腸X線検査では下部回腸に輪走ないし斜走する潰瘍による狭窄が多発していた.他の消化管には胃前庭部に潰瘍搬痕を認める以外異常なかった.狭窄症状を繰り返すため回腸部分切除術を行った.切除標本では再生上皮に覆われたUl-Ⅰ~Ⅱの潰瘍が多発し,組織学的に特異的な炎症所見を認めなかった.以上から非特異性多発性小腸潰瘍症と診断したが,潰瘍に治癒傾向を認め,比較的高齢で発見された点が典型例とは異なった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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