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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻11号

1998年10月発行

早期胃癌研究会症例

粘膜下腫瘍様の形態を呈した大腸癌の1例

著者: 大野康彦1 寺井毅1 今井靖1 松島央枝1 二瓶英人1 三輪洋人1 荻原達雄1 佐藤信紘1 平井周2

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1519 - P.1524

文献概要

要旨 患者は57歳,男性.1996年9月,健診で便潜血反応陽性を指摘された。注腸X線検査でS状結腸に中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.大腸内視鏡検査で中心陥凹を伴う正常上皮に覆われた粘膜下腫瘍様隆起性病変を認め,拡大内視鏡観察ではほとんどの部分で正常の1型,中心陥凹部ではV型,周辺隆起部に散在性に小類円形のV型pit patternを認めたことから粘膜下層以深に進展した大腸癌と判断し,S状結腸切除術を施行した.病理組織学的には固有筋層に進展した大腸進行癌と判明した.また拡大内視鏡でV型pit patternの部分は,病理組織では癌の粘膜面露出部に一致していた.粘膜下腫瘍様の形態を呈した大腸癌は比較的まれであり,大腸癌の発育進展を考えるうえで貴重な症例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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