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書評「がんの浸潤・転移―基礎研究の臨床応用」
著者: 清木元治1
所属機関: 1東京大学医科学研究所・癌細胞学研究部
ページ範囲:P.1548 - P.1548
文献購入ページに移動 がん治療法の進歩によってがんの治癒率は着実に向上しているが,依然として国民の死因のトップの座を保ったままである.その原因のほとんどが転移するがんに対する有効な治療法が確立されていないことによる.すなわち,診断の時点で既に転移が成立しているかどうかが,治療効果を決定する大きな要因とならざるを得ない現状である.
がん遺伝子やがん抑制遺伝子の発見によってわれわれのがんに対する理解は飛躍的に高まった.また,最近では,がんの浸潤・転移に寄与する分子の同定も進み,基礎研究レベルでは実験的な転移を抑制するこのとも可能になりつつある.そして,これらの研究成果が,実際のがん治療へどのように応用できるかに大きな関心が集まっている.このような状況において,慶應義塾大学・北島政樹教授の編集による「がんの浸潤・転移-基礎研究の臨床応用」が出版されたことは,臨床応用の立場から基礎研究を捉え直す意味でまことに時宜を得ていると言える.
がん遺伝子やがん抑制遺伝子の発見によってわれわれのがんに対する理解は飛躍的に高まった.また,最近では,がんの浸潤・転移に寄与する分子の同定も進み,基礎研究レベルでは実験的な転移を抑制するこのとも可能になりつつある.そして,これらの研究成果が,実際のがん治療へどのように応用できるかに大きな関心が集まっている.このような状況において,慶應義塾大学・北島政樹教授の編集による「がんの浸潤・転移-基礎研究の臨床応用」が出版されたことは,臨床応用の立場から基礎研究を捉え直す意味でまことに時宜を得ていると言える.
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