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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻12号

1998年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌EMRの完全切除の判定基準を求めて 主題

胃癌EMRの一括切除による根治的切除の判定基準―特に垂直方向への拡がりからみた検討

著者: 藤崎順子1 池上雅博2 新井弥生1 一ノ瀬方紀子1 増井良臣1 鈴木博昭1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学内視鏡科 2東京慈恵会医科大学病理

ページ範囲:P.1579 - P.1587

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要旨 胃癌EMRの根治性について,sm浸潤を中心に検討した.胃癌外科的切除例における検討が,EMR後2mm間隔で細切された標本の精度と大きく差があるかについて,深切り標本を作製し検討した.誤差は浸潤がより深くなるものの平均が73μm,浅くなるものの平均が109μmであり,浸潤程度が深切りにより,深くなるものの平均が100μm以下であったため,外科的切除例の検討をもとにEMR切除例を評価して遜色ないものと考えられた.相対的評価sm1で大きさ20mm以下,高分化型腺癌,潰瘍の合併がないという条件ではリンパ節転移のある例は認めなかった.このときsm1は100μmから1,000μmまで分布していたが,80%は600μmまでに分布していた.脈管侵襲は200μmの浸潤からみられたが,同例はsm浸潤部で中分化型腺癌の像を混在していた,浸潤部が高分化型で脈管侵襲を認めた例は600μmの浸潤からみられた.EMRにおけるsm癌の根治性は,大きさが20mm以下,浸潤部の組織型が高分化型腺癌で潰瘍合併がなく,500μmまでの浸潤程度,E・V染色で脈管侵襲のないものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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