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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻12号

1998年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌EMRの完全切除の判定基準を求めて 主題

胃腫瘍性病変EMRの分割切除による完全切除の判定基準

著者: 竹下公矢12 谷雅夫2 井上晴洋2 佐伯伊知郎2 本田徹2 斎藤直也2 岩井武尚2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部光学医療診療部 2東京医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1599 - P.1608

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要旨 教室で過去6年間に,EMRC法(endoscopic mucosal resection using a cap-fitted panendoscope)で内視鏡的粘膜切除を行った早期胃癌88病変,腺腫33病変を対象とした.68病変を一括切除,47病変を計画的分割切除,6病変を追加切除した.本法の治療効果,完全切除の判定,遺残・再発防止策などについて検討した.個々の切除標本の大きさは平均21mmと大型で,部位に関係なくほぼ一定であった.計画的分割切除における再構築は87%で可能であった.特に3分割切除までの30例すべてが再構築可能であった.分割切除例での完全切除の判定評価は,その組織構築性の可否から3分割程度までが妥当と考えられた.予後は5例にのみ遺残再発を認めたが,いずれも3か月以内に追加レーザー照射を行い,局所根治を得た.径15mm近傍以上の隆起性病変や境界不明瞭な平坦陥凹性病変に対するEMRの遺残防止策として,EMRC法による計画的分割切除は極めて有用な方法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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