胃と腸33巻12号

1998年11月発行

早期胃癌研究会症例

十二指腸原発早期follicular lymphomaの1例

著者： 勝木伸一¹ 野尻秀一¹ 近江亮² 鈴木康弘² 高橋基夫² 大場雄介³ 藤田美悧³ 長嶋和郎³ 渡辺英伸⁴ 村上研⁵ 山田康之⁵ 大久保俊一⁵ 由崎直人⁵ 新津洋司郎⁵

所属機関： ¹新日鐵室蘭総合病院消化器科 ²新日鐵室蘭総合病院外科 ³北海道大学医学部第2病理 ⁴新潟大学医学部第1病理 ⁵札幌医科大学第4内科

ページ範囲：P.1665 - P.1670

文献概要

要旨　患者は，72歳，男性．上腹部不快感を主訴に来院，上部消化管内視鏡検査でVater乳頭対側に白色絨毛状の丈の低いひだ状隆起を認めた．同部位からの生検で，悪性リンパ腫が疑われたため，膵頭十二指腸切除術を施行した．病理組織学的検索の結果，病変は2か所存在し，いずれも早期のfollicular lymphomaであった．十二指腸悪性リンパ腫は極めてまれであり，また本症例は，特徴的な内視鏡所見を有しており，若干の文献的考察を加え報告する．