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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻12号

1998年11月発行

症例

Ⅰs型からⅡc+Ⅱa型へ形態変化を来した大腸sm癌の自然経過をみた1例

著者: 宇野良治1 棟方昭博1 石黒彩子1 石黒陽1 坂本十一1 佐々木賀広1 下山克1 伊藤卓2 森田隆幸2

所属機関: 1弘前大学医学部第1内科 2弘前大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1671 - P.1674

文献概要

要旨 患者は初診時81歳,男性.初回内視鏡検査ではS状結腸に8mm大のくびれを有す隆起性病変(Ⅰs型)を認めた.それから11か月後に施行した内視鏡検査では初回と異なり,病変全体が陥凹を主体としたⅡc+Ⅱa型の表面陥凹型腫瘍に形態を変えていた.内視鏡的に摘除された病変は直径10mmの病変で,実体顕微鏡観察では陥凹部は不整構造を示し,陥凹型由来とされるsm浸潤癌に一致するものであった.病理組織学的に間質の線維化の強い高分化腺癌で,癌は陥凹部の内側のみに存在し,non-polypoid growth(NPG)の形態を呈していた.本例は生検の既往がなく,Ⅰs型からⅡc+Ⅱa型へ形態変化を来した早期大腸癌としては最初の報告である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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