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編集後記
著者: 西元寺克禮
所属機関:
ページ範囲:P.1676 - P.1676
文献購入ページに移動 内視鏡的粘膜切除術(EMR)は早期胃癌の治療法として確立されたものであり,その適応,方法,成績などについて活発に議論されてきた.外科手術でほぼ100%治癒が望める早期胃癌に対し,EMRがより普及するためには,相対例はともかく,絶対的適応例においては完全切除が達成されなければならない.この完全切除の判定基準が,今日なお施設によって異なるため,その相違点を明らかにするとともに,基準作成の一歩としたいというのが本号の趣旨である.水平方向,垂直方向の両面から見た完全切除についての論文が寄せられたが,その基準は執筆者によって異なっている.一致しているのはburn effectを期待してはならず,切除断端に正常組織が確認されたものという点であるが,sm癌の判定はやはり慎重でなければならない.水平方向に関しては,正常腺管がどの程度確認できるかという点でいろいろな意見があり,座談会でもこの点が議論されているので,参照されたい.最も大きな問題は分割切除の基準である.計画的分割切除でも,2~3分割であれば再構築が可能だとするものもあるが問題が残り,現時点では一括切除例で完全切除の判定基準を決めることが先決であろう.しかし全国的に分割切除が積極的に行われる傾向にあり,分割切除時の判定基準についても検討が必要である.
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