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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

今月の主題 胃癌EMR後の遺残再発―診断と治療

主題

胃癌EMR後のサーベイランス―遺残再発の実態とその診断

著者: 井田和徳1 加藤隆弘1 内山和彦1 奥田順一1

所属機関: 1朝日大学村上記念病院内科

ページ範囲:P.1687 - P.1693

文献概要

要旨 EMR後1年以上経過観察がなされた早期胃癌症例165病変(絶対適応136病変,相対適応29病変)を対象に,遺残再発の実態について検討し,サーベイランスのあり方について考察した,①遺残再発率は絶対適応5.1%(7/136),相対適応13.8%(4/29)であった.②絶対適応病変の一括完全切除例,相対非完全切除例には遺残再発はみられなかった.絶対非完全切除例に遺残再発がみられたが,切除法,非切除法を追加することによりすべて局所治癒した.③遺残再発の診断は治療終了後1年以内になされた.その内視鏡所見は通常内視鏡像では易出血性,色調の変化などであり,コントラスト像では異常発赤顆粒,びらん様小陥凹,色素の“のり”の悪さ,小区の消失などであり,すべて深達度mの所見と推定された.④治療後のサーベイランスは絶対適応の一括完全切除例は3,12か月,以後は年1回,その他の例は日本消化器内視鏡学会内視鏡治療効果判定委員会が定めた規約に準じて1,2,3,6,(9),12か月後,以後は年1回,異時性癌の発生も念頭に置き,可能な限り長期間継続する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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