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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

今月の主題 胃癌EMR後の遺残再発―診断と治療

主題

胃癌EMR後の遺残再発癌に対する内視鏡的追加治療の有用性

著者: 三坂亮一1 川口実1 工藤拓1 坂井康明1 梅沢裕信1 谷穣1 三治哲哉1 半田豊1 森田重文1 大野博之1 鶴井光治1 斉藤利彦1

所属機関: 1東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.1719 - P.1725

文献概要

要旨 早期胃癌に対するEMRおよびEMR後の遺残再発癌に対する内視鏡的追加治療の有効性について検討した.対象は1988年から1997年12月までにEMRが施行された早期胃癌170病巣(152例)である.追加治療としては再EMR,レーザー照射,ヒータープローブ,エタノール局所注入を施行し,各症例の切除材料,術後経過を詳細に検討した.その結果,①初回EMRの完全切除率は62.4%(106/170)で,これらには再発を認めなかった.②遺残再発癌52病巣に施行した内視鏡的追加治療の有効率は98.1%(51/52)であった.③内視鏡的治療法のうちでもレーザー照射が局所根治率87.9%,遺残再発率12.1%と追加治療としての有用性が高かった.このようにEMR後の遺残再発癌に対しては内視鏡的追加治療法の有効性が示されたが,原則的には一括完全切除を目標として慎重に適応決定を行い,更に術後の経過観察を確実に,長期間継続することが重要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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