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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

今月の主題 胃癌EMR後の遺残再発―診断と治療

主題症例

内視鏡的粘膜切除後の経過観察中に短期に増大した早期胃癌の1例

著者: 芳野純治1 中澤三郎1 乾和郎1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 西尾浩志1 渡辺真也1 筒井伸一1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二病院内科

ページ範囲:P.1735 - P.1738

文献概要

要旨 患者は64歳,男性.人間ドックの受診を契機にして体下部大彎に隆起性病変が認められ内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行った.病変は術前に生検で腺腫とされたが,切除後には高分化型管状腺癌,深達度mと病理診断された.分割切除のため遺残の判定は困難であった.1.5か月後には切除瘢痕の辺縁に白色の隆起性病変を認め,25か月後,4.5か月後と内視鏡観察するにつれてその病変は増大した.再度手術を勧めたが,拒否されたためEMRを行った.切除5.5か月後のEMR時には初回の病変にほぼ類似する大きさになった.EMRで病変は十分挙上せず遺残したため,レーザー焼灼を追加した.組織像は腺腫であった.その後,3年半経過観察しているが再発は認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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